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■テレビ漫画事件 (東京地裁 S55.7.11 昭和53年(ワ)第255号)
●事件の概要
「娯楽用具」に「テレビマンガ」を商標登録していた原告が、カルタケースの表面に「一休さん」の文字とともに「テレビマンガ」の文字が表示されている、テレビ漫画映画「一休さん」のキャラクター商品「一休さんカルタ」を販売している被告セーカノートに対し、商標権侵害をするものとして、販売中止と損害賠償を求めた事件。
●裁判所の判断
 商標権侵害として、第三者の商標の使用を差し止めるためには、単に形式的に商品に商標が使用されているだけでは十分ではなく、それが自他商品の識別標識としての機能を果たす態様で、すなわち、本来の商標として使用されていることが必要である。
カルタケースの表面は、テレビ漫画に登場する一休さんが、カルタに興じている絵が大半を占め、その上に太字で図案かさえれた「一休さん」の文字を大きく赤字で表し、その下には「©テレビ朝日・東映動画」の文字が小さく描かれ、一方上部左すみには「テレビまんが」の文字が普通のゴシック体で小さく白抜きで表示されている。
 以上を総合的に見ると、「テレビまんが」の文字は、被告が販売するカルタが、周知の昔話「一休さん」のうち、現にテレビで放映さえているテレビ漫画「一休さん」を基にして作られたものであり、絵札に表わされる登場人物のキャラクター等がテレビ漫画映画に由来するものであることを表示するにすぎないものといわざるを得ない。
 以上のように、被告の標章は、自他商品の識別標識としての態様で使用されているものではないので、原告は被告に対し被告の標章の使用を禁止することができない。

被告(セイカノート)商品

 コメント
 商標権の侵害場面において、そのネーミングやマークが、自己の商品やサービスと他人の商品やサービスとを区別できる態様で使用されているか否か、すなわち、商標の本質的機能である「自他商品・サービス識別機能」を有するか否かを判断した判決です。
 法2条では、商品やサービスにネーミングやマークが使用されていれば、それらのネーミングやマークは商標になると定義されていますので、「一休さんカルタ」に記載されている、本件で問題になった「テレビまんが」のほか、「一休さん」「いきゅう」「○Cテレビ朝日・東映動画」「セイカのかるた」の文字や一休さんの漫画などはすべて商標になることになってしまいます。これはちょっとおかしな話です。
 判決では、これを見分ける方法として、そのネーミングやマークが「自他商品・サービス識別機能」を有するか否かを基準としました。
 判決は、「テレビまんが」のネーミングがどうして表示されたか、その意味について考察しており、「テレビまんが」の文字は、子供たちに親しまれている昔話「一休さん」のうち、現にテレビ放映さえている「一休さん」をもとにして作られたカルタであることを表示し説明しているに過ぎないから、他社のカルタとの識別のための標識として機能していないので、商標権を侵害をするものではないと判断しています。きわめて妥当な判決と考えます。  

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