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■ハイミー事件(S46.7.20 最高裁昭和44(あ)2117号) |
●事件の概要
一旦パチンコ業者に卸売りした原告の製造販売に係る調味料をパチンコ遊戯者から買い集め、これを調味料の登録商標「ハイ・ミー」が付された新しい段ボール包装紙に詰め替え、あたかも新品を装って再びパチンコ業者に卸売りをした被告に対して、登録商標「ハイ・ミー」を無断で印刷した段ボール紙箱に、無断印刷を知りながら、調味料を詰めて封印し、これを販売する目的で所持していた。これに対し、商標権侵害罪にあたるとして起訴され、第一審、第二審判決ともに商標権侵害罪が成立するとされたため、上告した事件。
●裁判所の判断
正当な権限がないのに指定商品の包装に登録商標を付したものを販売する目的で所持する場合、その中身が商標権者自身の製品でしかも新品であることは商標法三七条二号(指定商品や指定商品の包装に登録商標を付したものを譲渡又は引渡しのために所持する行為を侵害とみなす旨の規定)、七八条の罪(商標権侵害罪)の成立になんら影響を及ぼさないものであり、
次に、特段の美観要素がなく、もつぱら、運搬用商品保護用であるとしても、商品を収容している容器としての段ボール箱は同法三七条二号にいう「商品の包装」にあたり、
また、同条号の行為は必ずしも業としてなされることを必要としないものというべきである。
したがつて、これと同趣旨の原判断は、いずれも正当である。
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コメント |
商標権者が販売した商品であっても、登録商標が付された新しい段ボール箱に詰め替え、それを販売する目的で所持する行為であっても商標権の侵害となります。
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