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■イタリアレストラン「ENOTRECA」事件(H15.8.29 平成15年(ワ)1521号)

●事件の概要
 店舗に本件登録商標「ENOTECA」を使用しイタリア料理レストランを営業している原告は、イタリア料理レストランを営業し「ENOTECA KIORA」の標章を使用している被告に対して、(1)役務及び商標が同一又は類似するから原告の本件商標権を侵害し、(2)本件商標が原告の営業表示として周知であるから不正競争防止上2条1項1号の不正競争行為にあたると主張して,被告標章の使用差止め差止めおよび被告標章を使用した営業の差止めを請求した事件。
●裁判所の判断
 「ENOTECA」という語は,「エノテカ」又は「エノテーカ」と称呼され,「ワインを販売する店」ないし「ワインを提供する飲食店 店」という飲食店 店の店舗の種類ないし性格を意味する用語として,ワイン愛好者や西洋料理に関心のある需要者の間で相当程度認識されている。他方,「KIORA」は,「キオラ」と称呼されるが,それ自体は造語であり,特段の観念は生じない。
 被告標章のうち,「ENOTECA」の部分は,それ自体又はその語に続く店名を示す語と併せて,「ワインを販売する店」ないし「ワインを提供する飲食店 店」という,当該店舗の種類ないし性格を意味するものであって,それがイタリア料理レストランの営業に使用されるときは,需要者に特定的,限定的な印象を与える力を有するものとはいえない。このことに,・・・被告標章の構成,すなわち「ENOTECA」の部分が,「KIORA」の上部右側に,小さく,色彩も書体も区別されて表記されていること,及び・・・被告標章の使用状況,すなわち被告店舗において被告標章のみならず,単に「KIORA」ないし「キオラ」としても使用されていることを併せ考えると,「ENOTECA」の語がイタリア料理レストランの営業において使用されるときには,「ENOTECA」の部分が需要者の注意を特に強く惹くことはなく,その部分が強力な自他役務の出所識別機能を果たしているものということはできない。

 被告標章においては,「ENOTECA」の部分が小さく表記され,前記のとおりこの部分が強力な出所識別機能を果たしているということはできないことからすると,被告標章全体の外観と本件商標とは,同一又は類似するということはできない。

 また,被告標章は,本件商標と同一の「ENOTECA」の語をその一部に含んではいるが,前記のとおり,それがイタリア料理レストランにおいて使用されるときには,「ENOTECA」が「ワインを提供する飲食店 店」という店舗の種類ないし性格を意味する一般的な用語であって,その部分が強力な出所識別機能を果たしているということはできないことからすると,被告標章からは「エノテカキオラ」又は「キオラ」という称呼が生じるものということができる。これに対し,本件商標からは「エノテカ」又は「エノテーカ」という称呼が生じるのであって,両者はその称呼において異なる。

 さらに,被告標章からは「ワインを提供するキオラという名称の飲食店 店」という観念が生じ,被告標章のうちの「ENOTECA」の部分のみが独立して観念されることはない。これに対し,本件商標からは「ワインを販売する店」,「ワインを提供する飲食店 店」という観念を生じるのであって,両者はその観念においても異なる。

 以上のとおり,被告標章は,本件商標とその外観,称呼,観念のいずれにおいても異なり,本件商標に同一又は類似するものということはできない。

 以上の次第であるから,その余の争点について判断するまでもなく,原告の商標権に基づく請求及び不正競争防止法に基づく請求は,いずれも理由がない。

本願商標


被告標章



 コメント
 原告が、「ENOTECA」について「イタリア料理の提供」の商標権を取得していたにもかかわらず、我国にイタリア料理が浸透してきたため「ワインを提供する飲食店 店」として一般的に使用されるようになり普通名称化してしいまいました。
 ブランド価値を高めるためには広告宣伝をおこなうことは必要ですが、一方で第三者の使用にも注意をしなければ、普通名称化を防ぐことができないのみならず商標の類似範囲も狭小になってしまいます。


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