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■DCC事件(東京高裁S58.6.16 昭和57年(行ケ)110号)

4条1項10号「重要者の間に広く認識されている商標」(周知商標)であるか問題になった事件。

●事件の概要
 被告は、「DCC」の欧文字を横書きしてなり、「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品とする商標(以下、「本件商標」という。)の商標権者である。
 原告は、本件商標が、その出願の日前に原告の営業にかかるコーヒー、ココア、紅茶等の商品を示す商標として、需要者の間に広く認識されていたものであって商標法第4条第1項第10号の規定違反して登録されたものであるとして、本件商標につき、登録無効の審判を請求した。しかし、特許庁は審判請求不成立の審決をした。そこで、原告が審決の取り消しを求めて提訴した事件。請求は棄却された。
●裁判所の判断
(原告使用のDCCの表示を用いた商標の周知性の成否)
 コーヒーは、その原材料であるコーヒー豆を我が国で産出することができず、すべて輸入品に依存しており、その香りや味覚は品種により特徴があり、持味である芳香も荒挽きする際焙煎法により異なつてくるものであるが、いわゆる専業的な喫茶店のみならず食堂、レストラン、グリル一般でも営業用に供され、一般家庭でも日常手軽に消費される嗜好品であつて、全国的に流通し、地域的嗜好特性も格別認め難い商品であることが認められる。しかも、原告製品が独自の原材料の独占、調合もしくは焙煎法、したがつてまた、これに基づく他と際立つた独特の風味をもつて知られているとの立証もない。
 かかる全国的に流通する日常使用の一般的商品について、商標法第4条第1項第10号が規定する「需要者の間に広く認識されている商標」といえるためには、それが未登録の商標でありながら、その使用事実にかんがみ、後に出願される商標を排除し、また、需要者における誤認混同のおそれがないものとして、保護を受けるものであること及び今日における商品流通の実態及び広告、宣伝媒体の現況などを考慮するとき、本件では、商標登録出願の時において、全国にわたる主要商圏の同種商品取扱業者の間に相当程度認識されているか、あるいは、狭くとも一県の単位にとどまらず、その隣接数県の相当範囲の地域にわたつて、少なくともその同種商品取扱業者の半ばに達する程度の層に認識されていることを要するものと解すべきである。
 しかるに、前記認定事実によれば、原告の使用によつてDCCが、主として専業的な喫茶店をはじめとする当該継続的取引先の相当数の取扱業者の間で、原告の営業ないし原告取扱いのコーヒー等の商品を表示するものとして認識されていたことこそうかがわれるけれども、その主な販売地域である広島県下でも専業的な喫茶店等に対する取引占有率は高々30パーセント程度に過ぎず、・・・一般的な食堂、グリル、レストラン等の存在をも考慮すると、DCCを原告の業務に係る商品を表示するものとして認識していた同種商品取扱業者の比率は更に下まわるものといわねばならず、隣接県である山口県、岡山県等におけるそれらの比率は遥かに広島県に及ばないものであるから、商標法第4条第1項第10号に規定するような需要者の間に原告の業務に係る商品を表示する商標として広く認識されていたものとまではいい難い。
 したがつて、本件商標がその登録出願日前に原告の営業に係る商品を示す商標として需要者の間に広く認識されていたとは認められないとした審決の判断に誤りはなく、この認定事実を前提として、原告主張の無効事由の存在を否定した審決に、違法の点はない。
 そうすると、本件審決の違法を理由にその取消を求める原告の本訴請求は理由がなく、失当として棄却するほかはない。


 コメント
 登録要件のひとつである、4条1項10号「重要者の間に広く認識されている商標」(周知商標)であるか問題になった事件。判決は、全国的に流通する日常使用の一般的商品について、商標登録出願の時において、全国にわたる主要商圏の同種商品取扱業者の間に相当程度認識されているか、あるいは、狭くとも一県の単位にとどまらず、その隣接数県の相当範囲の地域にわたつて、少なくともその同種商品取扱業者の半ばに達する程度の層に認識されていることを要すると判断しています。


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