Q11.商標登録されるとどのような効果が発生するのですか?
A11.
商標権は商標の使用によって取得され、商標登録によって商標権を取得するわけではありませんが、登録されることによって、商標権に関連する次の利益を得ることができます。
@登録商標を使用する排他的権利(商標権)が商標登録者にあるという推定
登録者が登録商標をアメリカで最初に使用して、商標を使用する排他的権利(商標権)を取得したものと推定されます。
商標登録者が第三者の商標権侵害に対して訴訟を提起した場合、登録者が自ら商標権を取得したことを証明することは必要なく、相手方がそれを立証しなければなりません。
A擬制告知(Constructive Notice)
登録されると、その商標はアメリカ全域の一般公衆に対して告知したものとみなされます。
したがって、
商標権侵害の主張をされた第三者はその存在を知らずに行ったという、「善意の抗弁」ができなくなります。
※ 「善意の抗弁」
コモンローの下では、商標をある一地域のみで使用している場合にはその商標権はその地域に限られ、他者は別の地域において同じ商標を同じ商品、サービスについて使用できるとするのが原則です。ただし、その場合にも、あとから商標の使用を開始した者は先の商標の存在を知らずに善意で使用したものでなければならないとされます。
先の使用者の使用の中止の求めに対して、後の使用者は善意の抗弁をすることによって中止を免れることができます。
B不可抗性の取得
登録後5年間の継続的使用をした後に、15条の宣誓書を提出することにより、不可抗性を獲得し、
第三者は登録の有効性について先使用商標の存在、商標の識別性の欠如等を理由として争うことができなくなります。
C擬制使用(Constructive Use)
出願日からアメリカ全域で使用開始されたものとみなされ、現実には限られた地域での使用であったり出願日以降の使用開始であった場合でも、
出願日を基準としてアメリカ全域における優先的地位を受けます。
なお、保護拡張請求が国際出願においてなされているときには、国際登録日が擬制使用日となります。
D侵害品の輸入差止め
連邦商標登録を受けた商標をアメリカ税関にあらかじめ申請しておくと、侵害品がアメリカに輸入されたときに、税関が侵害品の差止めを行います。
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